社長ブログ 2018.09.18

高気密住宅と健康被害

近年、社会の要望から住宅の断熱性能が大幅に改善されてきましたね。

以前の住宅に比べると、夏の暑さや冬の寒さに対する、

室内の温熱環境が格段に向上しています。

 

私の会社でも、当然断熱性能は強化済み。

住宅の高気密・高断熱化を進めています。

ちなみに、床部分の断熱方法は「床断熱」です。

 

ところで、そんな中、近年シックハウス症候群を発症される方が 増えてきたそうです。

私の感覚では、「シックハウス症候群」と聞くと、 住宅に使用される建材などから揮発する、「化学物質」とか、

閉め切った室内や多湿状態の部屋などに発生する 「ダニやカビ」などにより引き起こされる健康被害。

そんなものを思い出します。

 

現代の住宅では、使用される建材から揮発する有機化合物などは、

基準値以内ですし、24時間換気の設置により、 多くは解消されているはずだと思っていました。

ところが、近年健康被害に遭われている方たちの住宅では、

床下や壁内など、見えない場所でカビ汚染が広がっていたそうです。

ダニや花粉症などのアレルギーなどと異なり、

カビに起因するアレルギーは、完治が難しいアレルギーの一つだそうです。

一度罹患してしまうと、度々症状が出てしまう非常に厄介なものだとか。

ところで、最近よく聞く高気密化された住宅を観察すると、 床下空間を気密化して、

高気密住宅としている建物がかなり存在しています。

建物の床部分を気密化する際に、最も効果的なのが 「基礎断熱」です。

基礎の外周部に断熱材を取付、床下を室内と同じ空気環境にする方法です。

基礎の外周部だけを気密化すればいいので、床断熱よりも圧倒的に気密施工が簡単にできます。

 それから、地中の温度は一年を通じ一定な為、季節の変化による外気の影響を 受けにくく、

冷暖房の負荷を減らすのに効果的と言われています。

 

それでは、次にデメリットの話ですが、一番のデメリットは 多湿状態が続くことにより結露が発生することに尽きます。

基礎の形となっているコンクリートですが、 基礎のコンクリートは、

あのカタチでどこかで製造されたものを 現地に持って来て、据え付けている訳ではありません。

現地で型枠を組立取付後、コンクリートミキサー車から、

ドロドロの流体である「生コンクリート」として流し込まれ、 硬化後に基礎のカタチとなる訳です。

ところで、その生コンクリート、コンクリートプラントで製造される訳ですが、

「水・セメント・細骨材・粗骨材」を混合配合して製造されますが、

製造時に使用した大量の水は、家を建て完成までに乾いてしまうものでしょうか?

答えは、住まいの建築後2年~3年は水分を放出します。

基礎断熱の場合、その水分による多湿状態から、 床下で結露したりカビが発生する事が多々ありますので、

床下を常に換気するなどの湿気対策が必要です。

でも、換気をするとなると、換気扇を設置するなどしなければ換気できません。

また、床下空間が室内と同じような温熱環境になると、 シロアリも一年を通じて活動することとなります。

 

私達の作る家は、そうした被害が発生しないよう、

地域に合った家の作り方を行っています。

 

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